小児科医からこれだけは言わせて

写真が趣味の小児科医が小児臨床の現場のことやカメラのことを記載していく

小児疾患

ここ4年間で日本国内の感染報告数が20倍以上増加した疾患【麻疹(はしか)の予防に関して】

こんにちは、アキラです。 恥ずかしながら私は麻疹の患者さんを診療した経験がありません。 私だけではなく、卒後5年目前後の小児科医のほとんどは、麻疹を日常診療で診る機会が殆どなかったと言えると思います。これから増える可能性があるこの疾患に関して…

足に紫色の内出血?腹痛?関節痛?IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)について

こんにちは、小児科医あきらです。 今回はIgA血管炎について書いていきます。 以前はアナフィラクトイド紫斑病と呼ばれていました。へノッホシェーライン紫斑病と言われたりもしますが、実際には同じ疾患であり、今は「IgA血管炎」と呼ぶのが一般的です。 先…

百日咳の診断・治療について

こんにちは、小児科医あきらです。 今日は百日咳についてお話します。 百日咳という名前は聞いたことはあるかもしれませんが、実際に診断に至っている人からの話を聞く機会は少なく、どんな病気なのかについて知っている方は少ないのではないでしょうか。 ガ…

口の中に白いかすが見える… 鵞口瘡(口腔カンジダ症)に関して

こんばんは、小児科医あきらです。今回は赤ちゃんの口の中にみられることがある「鵞口瘡(口腔カンジダ症)」についてまとめていきます。 はじめに 赤ちゃんの口の中に白いものがついているときは、鵞口瘡かミルクのかすの付着であることが多いです。 ミルク…

赤ちゃんが生まれた!元気そうだけど泣くとおへそが膨らむのが気になる…!臍ヘルニアについて 

こんばんは、小児科医あきらです。 最近は学会発表などの準備なども診療と並行して進めなければならない状態で、更新頻度が落ちてしまっています。申し訳ありません。 日々の診療で保護者の皆さんに、「これ、知っていただけたら子どもたちのためになるかな…

蜂に刺された!🐝どうしよう?ハチによる虫刺症について【小児科医の提言】

お久しぶりです。 小児科医あきらです。 虫刺されと一言で言ってしまいますが、虫の種類は様々です。今回はスズメバチやアシナガバチに刺されて来院されたお子さんが立て続けに外来に受診されたので、まとめてみました。 受診の目安 どんな虫刺されだろうが…

【うんこが出ない】こどもの便秘症について

うんこの問題はとても厄介ですね。 特にうんこが出ないことは本当に辛いです。今回は、うんこが出ないこと、いわゆる便秘についてまとめを作成してみました。 本項は基本的に小児慢性機能性便秘症診療ガイドラインに沿って記載していきます。 定義 「便秘症…

熱中症に注意しよう!【症状・診断・治療まとめ】

こんにちは、小児科医あきらです。 そろそろ最高気温の上昇がみられそうですね。今年は梅雨が長引いて憂鬱な気分でした。しかし、激烈に暑かった去年を思い出すとそれだけでぐったりしてしまいそうです。今日からはフジロックフェスが始まります。これから夏…

子どもがお腹を痛がっている。このお腹の痛みは盲腸かも? 急性虫垂炎(盲腸)を疑う症状 後編(画像診断・治療)

前回記事↓の続きです。 www.akirano.work 画像検査 それぞれの画像検査の感度(疾患のあるものを見逃さない割合)、特異度(疾患があるものを捨てない割合) に関しての以前の報告は下記の通りでした。 超音波検査では小児患者の場合、感度88%、特異度94%…

子どもがお腹を痛がっている。このお腹の痛みは盲腸かも? 急性虫垂炎(盲腸)を疑う症状 前編(概要・診察)

以前腹痛に関しての受診の目安に関して記事を書きましたが、最近外来で虫垂炎の患者さんが続いたので、もう一度虫垂炎に関して書いていきます。前後編です。 以前の腹痛に関して書いた記事はこちらです。↓ www.akirano.work 根治治療は小児外科領域の疾患で…

【ある小児科医の提言】子どもが耳を痛がっている!急性中耳炎の治療についてのまとめ

こんにちは、今回は急性中耳炎に関して記載していきます。小児急性中耳炎の診療ガイドラインが2018年に新しく改訂されていたので、その勉強がてら内容をシンプルにまとめていこうと思います。 どちらでも大丈夫です。何度も何度も中耳炎を繰り返しているお子…

【ある小児科医の提言】熱、口と目と手の赤み、首の痛みと発疹 川崎病について 後編

こんにちは。小児科医あきらです。 川崎病の後編、IVIGとアスピリン以外の治療に関してです。前回も載せましたが、一応川崎病急性期治療のガイドラインのフローチャートを載せておきます。ご参照ください。 メチルプレドニゾロンパルス メチルプレドニンパル…

【ある小児科医の提言】熱、口と目と手の赤み、首の痛みと発疹 川崎病について 中編

こんにちは、小児科医あきらです。 前々回、川崎病の診断に関しての記事を書いてみましたが、今回は治療に関して解説していきます。前後編に分けるつもりでしたが、内容が増えてしまったため、前中後編になります。 前編はこちらです! drakira.hatenablog.c…

【ある小児科医の提言】熱、口と目と手の赤み、首の痛みと発疹 川崎病について 前編

こんにちは、小児科医あきらです。更新が遅くなってしまってすみませんでした。 今回は川崎病に関してご説明します。 少し長くなるため、前後編に分けます。まず、前編では川崎病の診断に関して書いていきます。 川崎病の一般的概要について 「川崎病」とは…

【ある小児科医の提言】昼夜ずっと咳が止まらない。マイコプラズマ肺炎について

はじめまして、小児科医あきらと申します。今回はマイコプラズマ肺炎に関してご説明します。 マイコプラズマ肺炎の特徴として、発熱と湿った咳の持続がありますが、病初期は派手な発熱があっても全身状態は比較的良好であることが多く、感冒と区別がつきにく…

【ある小児科医の提言】熱が上がって喉を痛がっている…!溶連菌性咽頭炎について

こんにちは、小児科医あきらです。 溶連菌感染症について記載します。例のごとく初めに大事なことから記載していきますね。 溶連菌性咽頭炎は、「治せる病気」の一つです。どうしてそのように表現するかというと、小児科でも成人でも一般外来を受診する患者…

【ある小児科医の提言】医師「アデノ陽性ですね〜」アデノって何? アデノウイルス感染症について

こんにちは、小児科医あきらです。 今回は「アデノウイルス感染症」 についてお話します。 以前、アデノウイルス感染症のうちプール熱(咽頭結膜炎)に関してに関して記載しましたが、その他にも表現型があるウイルス感染症なので、まとめて書いていきますの…

【ある小児科医の提言】口の中になにか入れて遊んでいた後に苦しそうにしてる!気管内異物についての話

こんにちは。小児科医あきらと申します。今回は気管内異物に関してご説明します。 大事なことを一番初めに記載しますのでご確認ください。 もし、子どもが何かを口に入れてその後意識がなくなり、胸とお腹の動きがなくなってしまったら ①すぐに119番通報 ②心…

【小児科医の提言】RSウイルスってなに? 急性細気管支炎、主にRSウイルス感染症に関して

はじめまして、小児科医あきらと申します。 今日は「急性細気管支炎」主にRSウイルス感染に関してご説明します。大事なことを一番初めに記載しますのでご確認ください。 RSウイルス感染はときに呼吸困難が増強して死亡することもある感染症です。 乳幼児、特…

【ある小児科医の提言】ぐったりしておしっこも殆ど出ない。小児の脱水症について

では今回は「脱水症」について勉強していきましょう。 ひとえに脱水といっても、脱水に至る原因によって様々な病態があります。ただ、気をつけなければならないことはシンプルです。医師は、入院が必要か必要でないか、その点を病歴や診察、検査所見で判断し…

【ある小児科医の提言】皮膚が赤くてカサカサしてる。とても痒そう!アトピー性皮膚炎について

こんにちは、あきらです。 今回はアトピー性皮膚炎に関して書いていきます。本稿は中村健一著 診療所で診る子供の皮膚疾患を参考に記載しています。例のごとく重要な点からまずお示ししたいと思います。

【ある小児科医の提言】医師「夏風邪ですねー」→夏風邪って何???中編:ヘルパンギーナ

こんにちは、小児科医あきらと申します。 今回は前中後編で「夏風邪」に関してご説明します。 小児科でいうところの「夏風邪」とは、下記流行性疾患、いわゆる①プール熱(咽頭結膜熱)、②ヘルパンギーナ、③手足口病の3つの疾患を指します。 それぞれの感染症…

【小児科医の提言】変な咳して辛そうだ!クループ症候群の対応

はじめまして、小児科医あきらと申します。 今回はクループに関してご説明します。 大事なことを一番初めに記載しますので ご確認ください。 ⅰ.お子さんが息を吸う時に喉、胸を凹ませながら呼吸している! ⅱ.脈拍が全速力で走った後のように早い! ⅲ.唇の色…

【ある小児科医の提言】けいれんしてる!小児のけいれんに関しての一般的な話

こんにちはこんばんは、小児科医あきらです。 今回は小児のけいれんに関してご説明します。 一番最初の投稿で「熱性けいれん」に関して記載しましたが、今回はけいれん全般に関してお伝えしようと思います。本稿は 金子堅一郎著 イラストを見せながら説明す…

【小児科医の提言】風邪引いてるんです。風邪薬をください! 感冒時の対応

こんにちは!小児科医あきらと申します。 今回は感冒時に関してご説明します。 大人であれば数日様子をみて良くならなければ「面倒だけど薬もらいにいつもの先生のところいくか〜」と内科をかかる方がほとんどでしょうか。 しかし子供の発熱であれば話は変わ…

【ある小児科医の提言】子供がゼーゼーヒューヒューしてる!気管支喘息の対応について

こんにちは小児科医あきらと申します。 本日は気管支喘息に関してご説明します。 まず、大事なことを一番初めに記載しますのでご確認ください。 下記のような強い気管支喘息発作の目安が出現した場合に、自宅で即効性のある気管支拡張薬があれば使用し、なけ…

【ある小児科医の提言】子供がお腹を痛がっている 腹痛時の対応について

はじめまして、小児科医あきらと申します。 小児期の腹痛に関してご説明します。 なお、本稿は 金子堅一郎著 イラストを見せながら説明する子どもの病気とその診かた (南山堂)を参考に記載しております。その他引用、参考資料に関しては最後に記載しており…

【ある小児科医の提言】うちの子が発熱…!どうしよう? 発熱時の対応について

はじめまして、小児科医あきらです。 今回は小児の発熱に関してご説明します。 大事なことを一番初めに記載しますのでまずご確認ください。 お子さんが発熱したときの受診の目安 ・生後3ヶ月未満の発熱なら夜間でもすぐに受診 ・3日以内に熱が下がらない場合…