小児科医からこれだけは言わせて

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【小児科医の提言】風邪引いてるんです。風邪薬をください! 感冒時の対応

こんにちは!小児科医あきらと申します。

今回は感冒時に関してご説明します。

大人であれば数日様子をみて良くならなければ「面倒だけど薬もらいにいつもの先生のところいくか〜」と内科をかかる方がほとんどでしょうか。

しかし子供の発熱であれば話は変わってきます。 熱を出したら保育園にも行けないし、自宅で看病しなきゃいけない。一刻も早く治ってほしい!と思うのが自然かと思います。

 

今回は一般的感冒で病院受診した際に、「風邪薬」を大人であれば処方されるかもしれませんが、子供が受診したときにはなぜ、「風邪薬」の処方をされないかに関してご説明しようと思います。

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  • 「風邪薬の処方について

総合感冒薬、いわゆるPL顆粒などがこれらに分類されます。

小児科以外の医師によって、成人に対して「風邪薬」として処方されます。

PL顆粒の含有物は、サリチルアミド、アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬)、プロメタジン(抗ヒスタミン薬)、無水カフェインの合剤です。

 

これらの薬剤を1日3回服用することは解熱剤を定期で使用することとなるため、小児医療の基本である「解熱剤は頓用での使用を」という基本的な部分で相容れません。

また、サリチルアミドはライ症候群との関連から、「15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しない」との用法記載があります。

この時点で小児での総合感冒薬の使用ができないことがわかりますね。

 

プロメタジンを含むPL顆粒などは「2歳未満には禁忌」「2歳以上に対しては治療上の有効性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること」と記載があります。

実際にPLの治療有効性が他を上回ると判断することが、小児科診療をやってきて遭遇したことがありません。

こういった理由から、小児科医は総合感冒薬の処方をしません。

外来をしていると、時折、「私に処方された風邪薬を飲ませて様子をみてました」といわれるご家族の方がいらっしゃることもあります。そういった日常の小さな判断が実は危険がある、ということをわかっていただけたら幸いです。

 

 

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どうぞよろしくお願い申し上げます。
小児科医あきらでした。